作品データ
作品名:臏 〜孫子異伝〜
作者:星野浩字
連載雑誌:スーパージャンプ、グランドジャンプPUREMIUM、グランドジャンプ
連載期間:2007~2016年
あらすじ
紀元前360年頃の中国戦国時代。
戦乱の続く中国の斉国の寂れた漁村に漂流して流れついた若者がいた。
彼の顔には、罪を犯した証の刺青、黥(ゲイ)がいれられ、尚且つ、もう歩けないようにする為、膝頭の骨を抜き取られる刑罰、臏(ビン)が施されていた。
孫子
今から約2500年前の中国の思想家「孫武」によって書かれた兵法書です!かのナポレオンも愛読していたと言われ、現代でもビジネス書などに活用されて親しまれていると言うとんでもない書物なんです!
「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」(約:敵の実情を知り、自分の実情を知ってれば、百回戦っても負ける戦いにはならないぜ!(注:勝つとは言ってないよ))一回くらいは聞いた事ありますよね?このような戦争での考え方みたいなものをまとめた書物なのです。
で、この物語の主人公は、その孫武の子孫で、実在した孫臏のお話しです。
つい最近までは、孫子の兵法書は、この孫臏が書いたのでは?と言われていましたが、最新の研究、発掘品から孫武が書いたと言う事がわかっています。が、彼もご先祖様の教えを踏まえた兵法書「孫臏兵法書」を書いています。
感想
この物語は、顔に黥(ゲイ)と言われる罪人の証の刺青と、膝頭の骨を抜き取られ歩けなくなった臏が、戦争のない平和な国を作るため、中国戦国時代の一国「斉」の軍師として招かれるところから始まります。
斉の国は、「封神演義」に出てくる、太公望が作ったとされる、海も近くにあり、交通の便もよく、古代中国にとって重要な地であり、大国の一つです。
で、その隣にある「魏」と言う国があるんですが、その国にいる将軍が、この物語の「臏」のライバル「龐涓(ほうけん)」です。この二国は、隙あらばお互いを滅ぼそうとする間柄です。
孫子の兵法を駆使し、平和な国を作るため、臏はどのような戦いに巻き込まれるのか!?そして、臏が犯した過去の罪とはなんなのか!?眼の離せない展開は見所満載ですよ!!
でwさらに詳しく書くと、(こっから先は史実を知らない人、展開を知りたくない人は読まないほうがいいです)この龐涓こそが、孫臏の顔に黥を彫り、歩けない体にした張本人だったりします。
斉国周囲の偵察の旅に出て、その土地その土地を襲ってくる北方の騎馬民族「荻(てき)」から、立ち寄った村々の民を、孫子の兵法の思想を使って撃退していく流れとなって行きます。
なすすべなく荻に蹂躙される民を守るため、歩けない体を張って、孫子の兵法を用いて荻を撃退するのは非常に読んでてかっこいいです。
が、このマンガで描かれたのは、荻を撃退するまで……
宿敵「龐涓」は最後に少し出てきますが、直接対決なく終わってしまいます。
作者の星野先生によれば、この物語はスターウォーズみたいに数部作で構成されていて、一番盛り上がり面白くなる部から始めたそうです。
なのでまだ回収しきれてない伏線が一杯あります。
連載完了時に、第一部から描けるように売り込みをかけると言ってくれてたんですが、その後はなんの情報もなかったりします……
この続きを読みたい者としては、応援しながら待ちたいと思います。
最後までは描かれてないので……史実ではこうなりました。
マンガの中では最後まで描かれませんでしたが「史記」に書かれている内容では、この龐涓と孫臏は同門の徒で、仲がよかったそうです。が、臏の才能に嫉妬した龐涓が、臏がいる限り自分は勝てないと思い、臏にスパイの濡れ衣を着せたそうです。
そのスパイの罪の刑として、、黥と臏を受けます。
黥は顔に刺青を入れる事、これは「項羽と劉邦」で出てきた英布と同じですね。それと膝頭の骨を抜いたのではなく、足を切り落とされています。この足を切り落とすと言う刑を「臏」と言い、そのために孫臏と呼ばれるようになったと言われています。
だから、彼の本名は現在には伝わっていなかったりするのです!
その後、濡れ衣を着せられた孫臏は、斉に軍師として仕え、魏に仕えた龐涓を「馬陵の戦い」で倒すと言うのが史実です。これを読める日がいつか来ますように!
星野先生!その戦いを読みたいです。(三井君風に土下座しながら)
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